我が家を設計するにあたってまず考えたのは、床面積と間取りです。今回購入したのは、「建築条件付宅地」+「フリープラン建物」と呼ばれるもので、土地と
建物がセットになった価格設定で、建物の間取りなど詳細を自由に設計できるものです(注1)。土地は上記のように102.48平方メートルで、国民金融公
庫融資条件の「100平方メートル以上」をクリアする最小単位の土地になっており、決して広いとは言えません。また、いくらフリープランと言っても、どん
な建物も建てられるわけではなく、建築基準法に従うことが当然必要ですし、床面積が大きくなるほど価格も上昇します。
(注1)フリープランと一言でいっても様々です。我が家の場合、間取りはほぼ自由に決められましたが、キッチン、ユニットバス、サッシ等の仕様は標準仕様
として決まっており、変更箇所をオプションとして追加しています。このあたりは、建築会社ごとに違うと思いますので、それぞれ確認して下さい。
こういう場合、どこにポイントを置くかが重要となりますが、我が家では以下の点に絞りました。
- 予算から逆算して床面積は小さめ(75~80平方メートル)にする
- クルマは2台置きたい
の2点に重点をおきました。さらに詳細な項目として
- 1階はLDK中心とし、使用頻度から考えて客間を省略する
- 置き場所に困るタンスは納戸に集約する
- 将来に備えて、子供部屋を設ける
点も含めて考え、最終的に床面積を77平方メートル余りに設計しました。「広くない土地で」、「クルマは2台」、「予算も抑えて」という場合には、以下のようなポイントがあげられます。
■ポイント1■ 1階の床面積を小さくおさえるしかない
当然、家自体は小さくなりますが、自動車2台分の駐車スペースを確保するために、1階の床面積を抑えました。さらにトイレ・洗面所・浴室・階段を確保、玄関を合わせると、残りは畳で約16畳分の広さになります。この面積では一般的に、
・10畳のLDK(洋室)+6畳の客間兼リビング(和室) または
・12畳弱のLDK(洋室)+4.5畳の客間(和室)
とすることが多いようですが、敢えて「広いLD」、「カウンターキッチン」にこだわり、
16畳のLDK(洋室)1部屋!
にしました。本来なら客間がほしいですが、来客は1年に数えるほどしかないこと、当面は子供部屋が空いており、これに充てられることから見送っています。
▲余談ですが
小さな家では客間をどうするかが大きなポイントになります。利用回数は少なくても、必ず必要な場合もあるでしょうし、逆に回数は多くても必要のない場合も
あります。マンションの3LDK以下の間取りだと妥協する場合も多いと思いますが、一戸建てだと「こうでなきゃ」という思い入れが(良くも悪くも)強すぎ
ることが多いですね。むずかしい。
■ポイント2■ 門をコンパクトにする
植え込みのガーデンランプは自分でセレクト
当然ですが、門構えの幅を狭くすることで、車の出入りする幅を広くできます。そこで、見た目に無理のない範囲で門構えをコンパクトにしました。もちろん貧
弱に見えるのも困りますので、それなりの形にしていますが。そのためもあって、普通のリブブロック(縦にギザギザが入っているブロック)が標準仕様でした
が、奮発してカラーレンガ(商品名:ピエドラ)にしています。
※メーカ名は聞いてなかったけど、たぶんここの商品です。
太陽セメントHP:
http://www.taiyo-cement.co.jp/
ピエドラ商品説明:
http://www.taiyo-cement.co.jp/piedra.html
しかしながら、できあがってみると、カースペースは図面上で計算したより小さ目で、車を2台入れるとかなり窮屈になることが判りました(建設屋さんのウソツキ!)。こうならないために、以下の点に注意することをオススメします。
■ポイント3■ カースペースには余裕を、むりならいさぎよく
建設屋さん任せにすると、とりあえず2台は入るものの、非常に窮屈な場合があります(ひどい建設屋さんだと軽2台しか入らないのもあるとか(@_@))。
そこに止めるクルマが判っているなら、全長、全幅、ドアを開けるのに必要なスペースをあらかじめ調べて、よく検討しましょう。もし無理なら中途半端なス
ペースをつくるより、部屋を広くする方向に振り向けた方が潔いです。リヤドアが横に開けられるかどうかも大型車では重要なポイントですし、意外とドアミ
ラーの幅を忘れていることもあると思います。また建売住宅の中には、「カースペース2台可」などという表現がありますが、実際には普通乗用車が2台置ける
スペースがあることは珍しく、普通自動車+軽自動車しか置けない場合もあるようですので、注意が必要です。
これでは「いっぱいいっぱい」
■ポイント4■ カースペースの意外な盲点に注意
カーポートには、通常アコーデオンドアーなどを取付けますが、これの収納した際のサイズを確認しておきましょう。アコーデオンドアーは、折りたたんだ状態
で、普通片側12~15cmくらいの厚みがありますので、これを忘れると車を入れにくいスペースになります。意外とドアミラーが当たったりして困ります。
また、カーポート(屋根)をつける予定がある場合も、柱を立てる空間がいくらか必要ですので、お忘れなく。
■ポイント5■ 前の道路の通行量、見通しの確認
カーポートは十分なサイズでも、前の道路が狭かったり、交通量が多いと、車の出し入れが大変です。我が家などは、予想していたより交通量が多い(しかもえ
らくスピードを出している車が多い!)ため、車をバックで入れるのは難しく、頭から突っ込むようにしています。ただし、逆に道に出る場合は運転席からの見
通しが悪くなるので、いつも用心しながら後退します。できれば、入庫、出庫とも切り返しをせず、見通しよく出入りできるよう考えましょう。これが一番難し
い問題かもしれませんね。
■ポイント6■ 浄化槽にはご注意!
私の市では下水道化が進められていますが、我が家の近辺は未工事のため、浄化槽をカーポートに埋めてあります。深く考えていませんでしたが、この浄化槽の
マンホールの蓋は強化プラスティックでできており、駐車する車が踏まない位置に設置する必要があります。我が家の場合、軽自動車がこの上を通る(駐車する
位置ではタイヤは蓋から外れる)状態ですが、浄化槽の定期点検にきたおじさんの話では、「最初は丈夫だからいいけど、年月が経つと割れやすくなるのでこの
ままじゃだめだよ」と言われてしまいました。板のようなものを上に敷くのがよさそうですが、最初から考えておけばこんな心配はいりませんね。
※後でわかったことですが、浄化槽には自動車の駐車を考慮した鉄製マンホールのものもありました。これなら安心ですね。
■ポイント7■ 防犯上の視点から
最近は門構えを省略した欧米スタイルのオープンな外構がはやっているようですが、防犯上の観点からすると、門扉があったほうがベターだと思います。例えば
門があると、来客は門の前からインターホンで会話することになり、玄関扉の前まで来にくくなります。最近は宅配便を装った強盗もあるそうなので、この方が
安心できますよね。また、野良犬などが入り込むことも防ぐことができますので、この点でも安心です(散歩をさせてもらっている犬が、車のタイヤなどにオ
シッコするのを防げることも重要ですね)。
■ポイント8■ 電力線などの引き込みについて
これも最近の話ですが、電力線や電話線などの引き込み線が庭の上空を横切るのはオシャレじゃないので、専用のポールを立ててそこから地中を通して引き込む
ことができます。このことは庭を広く使うということには反しますが、電気メータをポールにつけることができるので、検針の方が庭に入らずに道からメータを
見れるので、その点で有効です。
■ポイント9■ 街の防犯にも協力できれば
我
が家の門に付けたガーデンライト(松下電工製HLW9102EL)は、自動点滅器(暗くなると自動的に点灯させるスイッチ)を付け、夜間は付けっぱなしに
しています。こうすることで、ライトの消し忘れが無くなると共に、前の道路の街灯としても機能しています。
蛍光灯ですので、電気代もそれほどかかりませんし、寿命も長く経済的です。一応、街灯が近くに付いているのですが、暗くて頼りないため、この明かりは結構
役に立つのではないかと思っています。電気代はちょっともったいないけど、小さなボランティアだと思いませんか?
夜は自動点灯
※参考URL
松下電工HP:
http://www.mew.co.jp/
ガーデンライト:
http://biz.national.jp/Ebox/heyabetsuakari/garden_fset.html
※上記商品は廃番となっています 2006/05/02追記 |